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「特機(とっき)」って言葉ご存知ですか?テレビや映画で撮影のために使われる「特殊機械」の略です。クレーンやドリーや散水機のことを指します。
ウェディングムービーって昔からこの特機が大好きなんです。

ステディカム

まず数年前、一眼ムビーが海外で流行りだした頃は「ステディカム」が流行ってましたね。こんな映像。

the evolution experience from stillmotion on Vimeo.

「ステディカム」という言葉はティッフェン社の登録商標らしいので、他のものはスタビライザーという言い方が正しいですね。このなめらかな映像、すごい流行りました。ブーケアンドリールでもマーリンという機材で動いていた時がありましたね。これ、すごくバランスの設定に時間がかかるんです。操作自体もかなり熟練が必要で、コントロールが非常に難しい機材です。また重いので体力も必要。

800px-John_E_Fry_Steadicam_Operator_UK

スライダー

その次に多くなった機材は「スライダー」でしょうか。

Stillmotion – Cinevate’s Shooter Showcase from Cinevate on Vimeo.

この機材はレールにカメラを乗せてなめらかに横(および縦)に移動する映像を撮影するもの。小型で移動に便利なわりに映像効果として何気ないシーンでも「物語」を感じさせてくれる絵を作ることができるので、多くのウェディングムービー制作者が今も使用しています。

ドローン

これもこの特機のおかげでウェディングの映像は大きく変わりましたね。説明の必要がないくらい、世間でも問題にもなったこともありました。しかし、カメラが「地上」を離れて視点が変わるということは、やはりカメラマンの「人間」としてのどうしようもない身体スペックを超えた、別次元の映像表現を可能にしてくれます。

ただ、いまだに安全性は保障されておらず、その使用には細心の注意と責任が必要です。この特機に関しては他の機材とは異なる課題がまだありますね。ウェディングも郊外の場所なんかですと国内でも使用可能でしょう。

電動スタビライザー(3軸ジンバル)

次に多くの映像で見られるようになったのが「電動スタビライザー」でしょうか。これは先のステディカムのバランスをセンサーとモーターで自動的に制御できるもの。自動でバランス取れるため、ネックだった設定の手間がなくなり、また小型化、軽量化も可能になりました。モーター制御のため、もちろん小型のカメラの方が相性がいいのですが、ここに「GoPro」カメラがマッチして、もう一度スムーズな映像が多く見られるようになりました。

最近はドローンで有名なdjiという会社の「OSMO」という電動スタビライザーカメラが話題ですね。軽量、簡単設定で使いやすいようです。

Osmo‐高精度スタビライザー付き小型4kカメラ|DJI

特機に引き摺られないように

このようにウェディングムービーは特機が非常に好きで、常に何か新しい映像を表現できる「アイテム」を探している雰囲気があるのですが、その機材に引き摺られるということも起こり得ます。

映像撮影は初心者なのにとりあえず特機で映像インパクトを。そんな事もよく見られる光景です。確かに目新しい映像は撮影できるのですが、「それでいいのか?」と思う事も多く。

お二人はマネキンかモデルか?ドラマチックな表現も大切ですが、その人物の内側を見つめて、その心情を表現に反映させたいですね。ですからあらかじめ特機を現場に持ち込んで、「今日はこれを使うぞ」というのはナンセンスかと思うんです。お二人とその一日をご一緒して、一秒一秒の出来度と空気を共有して、その日だけの表現を考える。そんな撮影をしたいですね。

また、特機って使いすぎちゃうんです。シーンの中で何度も何度も。

特機は素晴らしいですが、数分のシーンでしたら1、2カットで十分。その「使うか使わないかわからないシーン」のためにドローンを持って行くのももちろん「あり」だと思います。

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