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人力車

撮影するのが難しいシーンってあります。個人的にはご披露宴ではキャンドルサービス。照明の変化が多く、暗く、被写体の移動が多い撮影。そんな撮影は経験とテクニックが必要です。そして移動といえば、もっと早いのが「人力車」。

新郎新婦が人力車に乗ること、結構あるんです。もちろんビデオカメラもそれを追います!

でも人力車って結構早い。早歩きくらいでしょうか?これをカメラを構えながら撮影するのって思うより大変なんです。どんな撮り方をするかというと、例えばまず人力車との並走で撮ってみる。それだけじゃもちろんつまらないので、いろんな撮り方、構図が欲しいですよね?じゃあ次は先回りして、道路の向こう側から近づいてくる人力車を撮ろうとか。後ろのやや下位置からあおり気味に少し追おうとか。

こんな感じで色々動きます。常に「走っては止まり、走っては止まり」の繰り返し。移動はスピーディーに。でもカメラを構える時はがっちりとブレなく構え、繊細なフォーカスコントロールをする。これ、難しいです。。やはりカメラマンって体力はあることに越したことないですよね。

以前は京都でも人力車の撮影を多く撮らせて頂きました。そういえば、人力車では珍しくいろんな機材を試すことが多いですね。時にはスタイビライザーで追いかけたり、また時には折りたたみ自転車を持参し、先回りをしながら追いかけたこともあります。この前はGoProを人力車の引き手(ハンドル?)に付けさせてもらおうと思ったのですが、径が合わずに断念。車夫のお兄さんに聞くと「TVとかではよくつけますよ〜」とか、ああ、慣れてらっしゃるんですね。。。

撮影というか、なんでしょう?走り+射撃、バイアスロン?あれはスキーですが、そんなハードな運動と集中の繰り返しです。

こんな時よく失敗しちゃうのが、「映像がカメラマンの心情につられてしまうこと」。どういうことかというと、アグレッシブに走りますよね?そんな撮り方をしていると、映像も「ハード」な感じ、荒く、カットも短め、アクティブな感じに撮ってしまいがちなんです。でも、ちょっと待って、立ち止まって考えてみると、主人公のお二人は人力車の上で悠々、見慣れない視点からの景色にのんびりです。どっちかというとこちらの心情に寄せなければいけませんよね。

そして人力車という道具。せかせか必死に走るものではなく、悠々と情緒豊かに街並みを眺めて走るもの。そんな雰囲気を映像でも表現すべきです。だから、

カメラマンは汗だくで息が上がっていても、撮る時は悠々とした気持ちで撮る。

ね?難しいでしょう?カメラマンはフィジカルとメンタルを別の次元に持っていないといけないなと感じた撮影でした。

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